PMS/生理 by 木川誠子

話題の昆虫食は昔から漢方に取り入れられていた?漢方とPMSの関係性

PMSの改善は漢方の得意分野

漢方には、心身一如(しんしんいちにょ)という考え方があります。心と身体はつながっていて、心の不調が身体に影響を及ぼすこともあれば、身体の不調が心の不調を引き起こしてしまうこともあるという意味を持ちます。

「もともと漢方は、心と身体を切り離して考えず、同時にケアしていくことを基本としているので、心と身体の両方に不調が起こりやすくなるPMSの改善は得意分野のひとつなのです」(杏仁さん)

今すぐ始められる漢方習慣

漢方と聞くと、「大変そう」「難しそう」というイメージを抱く人もいるかもしれません。でも実は、意外と簡単にできることもあるそうです。日常生活に取り入れやすい漢方習慣を杏仁さんに伺ってみました。

☑風邪を引きそうな時の漢方習慣
「ゾクゾクと寒気がする時は、風邪の予兆かもしれませんよね。お湯の中に黒糖1個とすりおろしショウガを適量入れたものを飲んでから寝てみてください。ショウガによって邪気が汗で発散され、黒糖が身体を温めてくれるので、朝起きる頃にはすっきりしています」

☑ドライアイが気になる時の漢方習慣
「漢方の世界では不老長寿の薬と言われているクコの実があります。杏仁豆腐の上に乗っている赤い実のことです。あの小さな実の中には、ビタミン類やアミノ酸、ポリフェノールなど、たくさんの栄養素が詰まっています。そのまま食べてもいいですが、お茶やスープの中に入れてふやかすと薬としての効き目も出やすくなり、ドライアイの改善につながります。ただし、クコの実は胃腸が弱い方はお腹が緩くなる可能性があるので下痢気味の方には不向きです。通常なら1回につきひとつまみ、1日大さじ1杯程度を目安に摂りすぎには注意してください」

☑ウイルス対策になる漢方習慣
「漢方では、邪気を追い払うには正気を補う扶正去邪(ふせいきょじゃ)という方法があります。正気とは、病気に打ち勝つ気のパワーのことで、正気がある人は自己治癒力も高くなります。ウイルスから身を守りたい時は、いつもより30分~1時間早く就寝したり、呼吸を意識しながら体操や散歩をすることも、漢方の考えに基づく有効的な対策方法です。ベースを整えていくことで、邪気に打ち勝つ力を補うことができます」

このような習慣も漢方の考えによるものなので、意外と簡単に取り入れられそうですよね。

ストイックは禁物!

PMSの対策法のひとつでもある漢方の基本は、心と身体を同時にケアしていくこと。取り入れる際はストイックになりすぎないように気をつけてくださいね。

杏仁美友さん

杏仁美友さん
きょうにん・みゆ 一般社団法人薬膳コンシェルジュ協会代表理事、国際中医師、中医薬膳師、漢方&薬膳アドバイザー。簡単で美味しい薬膳料理のパイオニアとしても、さまざまなシーンで活躍。『プレ更年期の漢方』(つちや書店)など著書多数。

参考:無印良品「コオロギは地球を救う?

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木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には「株式会社k company」を設立し、その実践の場を創造・提供している。ライフオーガナイザー1級/アロマ心理/公認フェムテックマイスター(TM)